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2012年2月16日 (木)

私のアルカディア

           

明治時代にイギリスの女性旅行家イザベラバードが日本の東北~北海道を旅した際に、山形県置賜地方の風景を「東洋のアルカディア(理想郷)」として、旅行記の中で絶賛している。

昨年3月に避難してきて以来、私もこの地方の自然の美しさに目を奪われ続けているので、この百年以上前の女性イギリス人の意見に異論を挟む余地はない。

反原発を訴えた市民科学者・故高木仁三郎氏はその著書「いま自然をどう見るか」の中で、プロメテウスがゼウスの神から盗んだ“火”の文明はその後原子力の利用へとつながる事になり、そこからの転換を図る際に必要になるのは「自然に対する“感応力”=自然感受性」とでも呼ぶべき力だと述べている。

私は以前にもこのブログで“復興は復元ではなく転換であるべき”と書いたが、高木氏の言葉通りなら私はその“転換”に必要な力を養うには絶好の場所にいる事になるだろう。

豪雪とはいえ、たまの晴れ間に見える朝日連峰、飯豊連峰等の雪景色は私の精神に強く働きかけるものがあるし、農場で大根を洗う際には毎回白く変身していくその姿に惚れ惚れしたりしている。まだ長井での生活は一年にもならないし、農場のお手伝いをしたぐらいでえらそうに言えるものでもないが、確かに私の中の自然感受性の高まりを実感する毎日だ。

この感受性の高まりの果てに何が待っているのだろうか?

震災&原発事故後、この国を個人の富の追求の場としてではなく、人が互いを慈しむ相互扶助的な場所に変えようと多くの人が思っただろう。そしてそのような行動も垣間見られた。今は皆何喰わぬ顔をして3.11前のような姿をしているが、“転換”への芽が摘み取られたわけではないと思う。

私もこの東洋のアルカディアで力をつけようと思っているがその力が“自然感受性”ということなら、これからも楽しく毎日を送れそうだ。まずは自分の生活のめどをつけることが最重要課題だが、豊かさを金で量ることはしないつもりだ。

最後に全く話しは変わるが、長い間私にとっての“アルカディア”とは松本零士の傑作アニメ「宇宙海賊キャプテン・ハーローク」に登場する宇宙船のことだった。親友大山トチローとともに造り上げたこの船でハーロックは堕落した地球に住む親友の娘を救うために戦う。

“東洋のアルカディア”がこの国難を救う。私はそんな夢も見ている。


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