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2012年3月 7日 (水)

seek & find そして変身〜「よみがえりのレシピ」とエトセトラ

             


先日ワーナー・マイカル・シネマズ米沢にて「よみがえりのレシピ」を見た。
http://www.y-recipe.net/index.html

私がこの映画館を利用したのは今回が2回目で、最初は4歳の娘と2歳の息子を連れて来たのだった。「スイート・プリキュア/とりもどせ!心がつなぐ奇跡のメロディー」を見るためだ。私は42で結婚し、二児を授かったが、もし妻と出会わなければ「プリキュア??それって喰えるのかい?」って感じだったろう。絶対。(ここは強調しておきたい所なんデス。)

私がプリキュアを見たのは娘がまだ2〜3歳の頃たまたまつけたテレビに映し出され娘が夢中になったからだが、一緒に見ているうちに私もハマった。私たち親子が見始めたのは「ハートキャッチプリキュア」のシリーズ後半からであったが、このシリーズは「seek & find」の物語であり、妖精に出会ったことでどこにでもいそうな女の子たちが「伝説の戦士プリキュア」に変身できるようになって地球の支配を目論む悪の組織と戦う。

南総里見八犬伝、村上春樹作品、スターウォーズなどなど私は「seek & find」の話しが大好きだ。

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さて「よみがえりのレシピ」である。
レインボープラン推進協議会に顔を出した際に前売り券を勧められたので購入し、見るのを楽しみにしていた。チケットと共に手渡されたチラシに感じ入るものがあったからだ。

私は原発事故後からスタートしたこのブログを通して、再三「復興は復元ではなく転換」と主張していて、それを実現する上で欠かせない“共同体の再生”や“相互扶助的なネットワークの構築”や“生命や伝統・文化の継承”の現場として相応しいのは「農業」のそれであると考えている。ただ農業に関してズブの素人の私がこの点を論じても、観念的な文字ばかりが踊ってしまい、「口先だけなら大阪城でも建つ」が口癖だった亡き恩人に天国からどやされそうで後ろめたい気持ちでいっぱいだ。

この映画はそんな私を尻目に、農のリアルな現場からの報告を交えながら、農業が大量生産・大量消費社会の要請に応えようとするあまりに取りこぼしてきた“在来作物”とそれに関わることにより豊かな関係を築く人々を描き出している。

そしてその姿が、現在の社会の在り方に再考を促しているように私には思えた。

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製作者の方々に対しては大変不謹慎な見方で恐縮だが、初めて娘・息子と見た映画がプリキュアであったこと、そしてその場所がワーナー・マイカル・シネマズ米沢であったことが影響してか、私はこの映画も途中から「seek & find」の物語として見ている自分に気が付いた。

だって、忘れさられた在来作物を探し出してくる山形大学の江頭先生やそれに手をかける事で人々の舌鼓を打ちまくるアル・ケッチァーノの奥田シェフはまるで八犬伝の丶大(ちゅだい)法師やプリキュアの妖精やルーク・スカイウォーカーを探し出したオビワンのようではないか!

「seek & find」の後に変身があり、変身した在来作物たちが戦う相手は確かにいる。それはグローバリズムの名の下で世界を単一の価値観で染め上げようとする勢力かもしれないし、豊かさを数値化しその大きさで判断しようとする私たちの中に潜む価値観かもしれない。

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それ故私は郷里の福島県いわき市が“復興事業計画の「小名浜港周辺地域の一体的な整備・再生プロジェクト」で、小名浜港背後地都市センターゾーンの開発事業計画を恊働で策定する事業協力者にイオンモール株式会社を選定し協定書を交わした”とのニュースに大変違和感を覚える。国内大資本によるショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)ではないのか?
地元商店街は大丈夫なのか?

この映画で在来作物の種を守り続けた山形県のお年寄りたちの苦労やそれによって醸成された滋味に富む食材のことを考えると、これだけの苦労や手間を放射能の測定になぞらえ、不検出の食材なら福島県民のみで美味しくいただくというしたたかさがあってもいいと思えた。(実際にそれを始めたレストランもある。)
http://blogs.yahoo.co.jp/cordonjpfs/61441979.html

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多様性こそが豊かさだと考えるに至った私にとって、この映画はあらゆる意味で大変刺激的であった。

「よみがえりのレシピ」で印象的だったのは在来種を守り続ける人たちがみな「この野菜を食べた人が美味しいと言ってくれるのが何よりも嬉しい。」という気持ちに突き動かされて栽培に取り組む姿だ。誰かを喜ばせたいという気持ちひとつで大量生産・大量消費社会と対峙してきたこの姿は今後の世界の転換を考える上で極めて象徴的だと思う。

そういえばキュアムーンライトこと月影ゆりちゃんも言っていた。
「私たちは憎しみではなく、愛で戦いましょう」と。

「よみがえりのレシピ」は愛すべき映画だ。そしてこれは日本再生のレシピ(処方箋)でもある。

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