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2012年4月22日 (日)

多様性こそが豊かさ〜さよならレボン・ヘルム

            

(ステキなブログ見つけました。歌詞対訳はこちらをご覧下さい。)
http://flowerlava.blogspot.jp/2012/01/night-they-drove-old-dixie-down-band.html

原発もTPPも結局はアメリカからの押し付けで、 その押し付けに“グローバリズム”という名前が張り付いていただけだった。

辞書によれば「グローバリズムglobalism」とは“国家を超えて、地球全体を一つの共同体とみる考え方”であり、地球規模であらゆる問題が起りつつある中、これ自体は決して間違った観点ではないと思う。ただしそれを強者と弱者をハッキリと色分けするような一つの価値観と経済的優位にある者たちに有利な統一言語の下で行おうとすることに無理があるのだ。

よくグローバリストと称される人々は「ジョン・レノンの“イマジン”のような世界」などと嘯くが、ジョンがイマジンを発表したのとほぼ同時期に、イギリスの圧政に苦しむアイルランドの側に立って「ラック・オブ・アイリッシュ」を歌っていることは知らないようだ。
http://blog.goo.ne.jp/beatle-lennon/e/d7a391b414f4683b856d8419365b0bec

Image私にとってのグローバリズムのイメージは上のものとは全く逆のもので、それは「棲み分け」ということであり、そのうえで皆が地球の中でひとつにまとまるというものである。その方が地域独自の伝統や文化を維持・継続しやすく、それぞれが活性化されれば地球全体が多様性に富んだ共同体になると思うからだ。多様性を獲得した生物のみが生き残るとの生物学的な定説は人間にも当てはまると思う。(私の中で長年定着しているこのイメージは、以前このブログで書いたネイティブ・アメリカン、ホピ族のシンボルマークに由来する。)

世界は一つの価値観で支配出来るほど単純なものではない。

私は今、宇沢弘文氏が指摘する「国家による社会的共通資本の管理」という考え方に注目している。社会的共通資本とは氏の言葉を借りるならば「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、優れた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を持続的、安定的に維持する事を可能にするような自然環境や社会的装置」とのことで、国や地域がここをしっかりと管理しなければならないというものだ。(農業もこれにあたる。)
なんだか当たり前のことのように聞こえるかもしれないが、この装置すら市場原理主義の波にさらし競争社会に巻き込んでしまうのがTPPだ。だからこれだけはなんとしても阻止せねばならないと思うのだが…。

(私は反TPP論者の中野剛志氏の言う「国力」をこの社会的共通資本の豊かさのことだと理解している。)

話しは変わるが昨日、The Bandのドラマーでボーカリストのレボン・ヘルムが死んだ。The Bandはアメリカン・ロックバンドとして私が最も影響を受けたグループの一つだが、思えば彼らの魅力はアメリカ各地の多様な音楽を吸収し、それを彼らなりの解釈で見事なまでのロック・ミュージックとして昇華させていた点にあったように思う。多様性こそが豊かさであることを音楽を通じて教えてくれたのがThe Bandだった。

10代の頃The Bandの豊饒な音楽に耳を傾けるとき、アメリカ各地の多様性に富んだ風土の下に暮らす人々の姿に思いを馳せたものである。

豊かさを経済だけで論じてはならない。


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コメント

 1950年代に来日したウィリアム・フォクナーは「私もまた敗戦国の人間です。」と言ったと言う。アメリカにはアメリカ人というのとは別に南部人という人たちがいるらしい。

 バンドはレヴォン以外は皆カナダ人で彼だけが南部人。『The night~』はロビーのペンによるナンバーだが、この南軍の敗軍兵の歌をレヴォンに歌わせたところに多様性の美しさを感じます。

 戊辰戦争の時の会津藩士のことを歌うロックナンバーとかってないのかな。長渕がつくってサンボマスターズが歌うとか。そういうことでしょうか?


 昔の大河『獅子の時代』のテーマソング『Our history again』を福島県歌に!

 金がかたきの世の中で~(歌)ダウンタウンブギウギバンド

 

福島から避難して来た方々と話しをすると、本当に敵に追われるようにして長井の地に逃げ延びたという方がいて、聞いているうちに涙が出てくる。

この歌はその方々の姿がだぶります。

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